ホテル・旅館の就労ビザ許可不許可事例

法務省入国管理局で平成27年12月に出されました文書(出入国在留管理庁令和3年3月改訂)
「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」には在留資格の許可事例と不許可事例があり、以下まとめておりますがこちらは「技術・人文知識・国際業務」ビザ(在留資格)の許可・不許可の一例です。
個々の事案についての可否は個別の審査を経て判断されますので、在留資格(ビザ)専門の行政書士や入管局(出入国在留管理庁)などにご相談下さい。

 

尚、2019年4月から制度が開始された「特定技能」ビザは「技術・人文知識・国際業務」ビザでは認められなかった職種も付随的にできるようになりました。
「特定技能」ビザについては詳しくは
こちらから

 

※ご参考販売、飲食、ホテル、旅館、タクシードライバー等に就ける接客に最適な「特定活動46号」ビザこちらから

 

 

●許可事例

 

  学歴/職歴 雇用先 報酬額 業務内容
本国の大学の観光学科卒者 外国人観光客が多い日本のホテル 月額約22万円 外国語を用いたフロント業務,外国人観光客担当でホテル内の施設案内業務等に従事
本国の大学卒者 本国からの観光客が多く利用する日本の旅館 月額約20万円 集客拡大のための本国旅行会社との交渉に当たる通訳・翻訳業務,従業員に対し外国語指導の業務等
日本の経済学専攻の大卒者 日本の空港に隣接するホテル 月額約25万円 集客拡大のためのマーケティングリサーチ,外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等
日本の経営学専攻の大卒者 外国人観光客が多く利用する日本のホテル 月額約30万円 総合職(幹部候補生)として採用された後,2か月間の座学を中心とした研修及び4か月間のフロントやレストランでの接客研修を経て,外国語を用いたフロント業務,外国人観光客からの要望対応,宿泊プランの企画立案業務等に従事
日本の専門学校の日本語の翻訳・通訳コースを専攻して卒業し専門士の称号をもつ者 外国人観光客が多く利用する日本の旅館 月額約20万円 フロントでの外国語を用いた案内,外国語版ホームペ-ジの作成,館内案内の多言語表示への対応のための翻訳等の業務等に従事
日本の専門学校でホテルサービスやビジネス実務を専攻し,専門士の称号をもつ者 宿泊客の多くを外国人がしめるホテル   修得した知識を活かしてのフロント業務や,宿泊プランの企画立案等の業務に従事
海外のホテル・レストランにおいてマネジメント業務に10年間従事していた者 国際的に知名度の高い日本のホテ 60万円 レストランのコンセプトデザイン,宣伝・広報に係る業務に従事

 



●不許可事例


  学歴/職歴 雇用先 報酬額 業務内容
本国の経済学専攻の大卒者 日本のホテル   主たる業務が宿泊客の荷物の運搬及び客室の清掃業務
本国の日本語学専攻の大卒者 日本の旅館   外国人宿泊客の通訳業務
日本の商学専攻の大卒者 新規に設立された日本のホテル   駐車誘導,レストランにおける料理の配膳・片付けの業務
本の法学専攻の大卒者 日本の旅 月額約15万円 フロントでの外国語を用いた予約対応や外国人宿泊客の館内案内等の業務
日本の専門学校の服飾デザイン学科を卒業し,専門士の称号を付与者 日本の旅   フロントでの受付業務
日本の専門学校のホテルサービス・ビジネス実務等を専攻し,専門士の称号の付与者 日本のホテル   フロント業務を行うとして申請があったが,提出された資料から採用後最初の2年間は実務研修として専らレストランでの配膳や客室の清掃に従事

不許可事例の不許可になった以下の説明も良くご理解頂ければと思います。

①「主たる業務が宿泊客の荷物の運搬及び客室の清掃業務であり,「技術・人文知識・国際業務」に該当する業に従事するものとは認められず不許可となった」という事例です。
荷物の運搬や清掃業務は単純労働とみなされ、「技術・人文知識・国際業務」ビザ(在留資格)ではできません。

②「外国人宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが,当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており,申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となった」事例です。
例えば、来られるお客様が中華圏のお客様が多ければ、中国か台湾出身のスタッフを雇用するということです。

③「 従事しようとする業務の内容が,駐車誘導,レストランにおける料理の配膳・片付けであったことから,「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとは認められず不許可となった」事例ですこの事例も①と同じで駐車誘導,レストランにおける料理の配膳・片付けは単純労働とみなされ、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格ではできません。

④「申請人と同時期に採用され,同種の業務を行う日本人従業員の報酬が月額約20万円であることが判明し,額が異なることについて合理的な理由も認められなかったことから,報酬について日本人が従事する場合と同等額以上と認められず不許可となった」事例です。
報酬額が15万とか20万という額の問題ではなく、同時期に、同種の業務で採用された日本人とは報酬額は同じでなければなりません。

⑤「専門学校における専攻科目と従事しようとする業務との間に関連性が認められないことから不許可となった」事例です。
専門学校で学んだ科目と従事する業務には必ず関連性がないといけません。特に専門学卒の場合大学卒より、より厳しく関連性が問われます。

⑥ 「フロント業務を行うとして申請があったが,提出された資料から採用後最初の2年間は実務研修として専らレストランでの配膳や客室の清掃に従事する予定であることが判明した。これらの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格には該当しない業務が在留期間の大半を占めることとなるため不許可となった」事例です。

採用当初の時期に現場研修があるのは接客業なら当たり前だと思います。許可事例の④でも研修はありました。しかしこの不許可事例の⑥では「技術・人文知識・国際業務」の在留資格には該当しない業務が在留期間の大半を占めることになるので、これでは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は許可されません。

 


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