小売業(販売職)での外国人雇用と就労ビザ


  • 大都市の高級ブランドショップや家電量販店、百貨店等、小売店では外国人の販売員さんが対応しているところが多いですね。

    そして、今やコンビニ、ドラッグストア等では地方都市でも外国人留学生らしき方がお仕事されている姿はよく見かけます。外国人材がなくてはならない戦力になっていますね。
    それでは、小売店はどんな外国人でもお仕事できるのでしょうか?
  • もちろん、どんな人でもOKというわけではありませんので以下ご確認下さい。
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小売業での外国人雇用とビザ

小売店で働くことができる外国人はどんなビザを持っている人なのでしょうか?
また、どんなお仕事ならできるのでしょうか?


「ホテル・旅館等での外国人雇用と就労ビザ」にもありますが、小売店でも、接客、レジ、商品陳列、在庫管理などのお仕事は「単純労働とみなされる」ので、「技術・人文知識・国際業務」ビザ(在留資格)の許可は下りません。

ですが、もし、接客やレジ・商品の陳列等のアルバイトに任せるようなお仕事内容なら、就労制限のない身分系の在留資格(身分系のビザ)を持っている外国人を採用されたら良いかと思います。

或いは、「留学生」や「家族滞在」の在留資格を持っていて、「資格外活動許可」を取得している外国人なら週28時間までレジや商品陳列、接客などのお仕事ができます。

また、2019年5月30日以降は、販売、飲食、ホテル、旅館、タクシードライバー等に就けるインバウンド接客に最適な「特定活動46号」ビザが施行されました。単純労働とみなされる職種でも付随業務としてならすることができます。⇒ 詳しくはこちら

 

小売業で就労可能なビザ

上記しました小売店でお仕事ができるビザについて詳しいご説明のあるリンク先等まとめています。
以下にご説明のビザは、就労制限のない身分系のビザ以外は、1週間で働く時間が決まっているとか、できない業務があるとか、可能業務でもその業務ばかりできない等、理解しにくい点があるかもしれません。分かりにくいことがあればお気軽にお問い合わせくださいね。
こちら

1、留学ビザ、家族滞在ビザ
決められた時間内(週28時間)で、資格外活動許可を取得し、アルバイトできるビザです。
「アルバイトで外国人を雇用」について詳しくはこちら
「家族滞在ビザ」について詳しくはこちら
2、身分系ビザ
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の方たちが持つビザのことを「身分系ビザ」とか「身分・地位に基づく在留資格(ビザ)」等と言います。身分系ビザは就労活動に制限がないため雇用する側にとっては一番雇用しやすい外国人です。
「身分系ビザ」について詳しくはこちら
3、特定活動46号ビザ
2020年2月改定の日本の大卒で高度な日本語能力を有する外国人が取得可能なビザです。小売店においては、仕入れ,商品企画や,通訳を兼ねた接客販売業務を行う業務が可能です。日本人に対する接客販売業務を行うこともできます。

また、商品の陳列や品出し作業、店舗の清掃も付随業務として認められていますが、これらの業務にのみ従事することは認められません。ご注意ください。

この特定活動46号ビザは、下記の「技術・人文知識・国際業務ビザ」よりも現場や店頭に立つ外国人に合ったビザですし、インバウンド業には最適なビザと言えますから、今後、小売業でもこの特定活動46号ビザを取得する外国人材は増えてくるでしょう。

「特定活動46号」ビザについて詳しくはこちら

小売業での技術・人文知識・国際業務ビザ

上記「小売業での外国人雇用とビザ」のところで「単純労働とみなされる」業務は、「技術・人文知識・国際業務」ビザ(在留資格)の許可は下りませんとご説明しておりますが、業務内容によっては「技術・人文知識・国際業務」ビザは取得できます。ただ、証明書類を用意したり、説明書類を作ったり等取得に手間がかかります。また、理論的にわかりやすく説明しないと本来許可できる案件でも不許可になったりする非常に難しいケースになります。

「技術・人文知識・国際業務」ビザというのは、大学等で学んだ専門分野の技術・知識と関連性のある業務や、外国人特有の感性を必要とする業務に従事するためのビザです。小売店での店頭販売や接客業でこの「技術・人文知識・国際業務」ビザを取るのは難しく、証明書類も多く必要です。
以下は主な業務として「販売」や「接客」に関わる場合の「技術・人文知識・国際業務ビザ」申請のポイントと注意点になります。

1、入管局(出入国在留管理庁)に「単純労働」とみなされる業務はできない
例えば:レジ業務、商品の陳列、商品の品出し、(通常の)販売、清掃等は「単純労働」とみなされてしまいます。

2、「通訳・翻訳」業務がメインでできる小売店(ショップ)である
お店に関してですが、どのような小売店なら通訳・翻訳業務で技術・人文知識・国際業務ビザが取得できるのでしょうか?
それは、有名な観光地、高級ブランドショップ、大型家電量販店、大型百貨店など、外国人観光客の利用が多く、明らかに外国語を使う業務が大部分を占める場合は「技術・人文知識・国際業務」が認められる可能性があります。「通訳・翻訳」をメイン業務にできるくらい外国人客の来店数があることです。この場合は予め入管局に業務のうちのどれくらいの割合を外国語が占めるのか(一日、或いは年間でどれくらいか)、来店客の国籍はどこの国が多いのか、その国籍に合わせた外国語の業務がどのくらいの仕事量になるかなど詳細を説明した文書を提出します。
もし、十分な説明を行わず、単に「通訳・翻訳」として就労の在留資格が取れたとしても、のちに通訳等を伴わない単純な接客や商品陳列のような業務をさせていたこと等が判明した場合、虚偽申請したとして外国人と雇用企業の双方が処罰の対象となります。このようなケースには入管局も特に厳しいですので、くれぐれもご注意下さい。

3、「通訳・翻訳」業務に従事する
単に 「通常の販売」だと、「立ち仕事の単純労働」とみなされてしまう可能性が高いです。接客販売業務で採用する場合は、「外国人客の多い店舗」での「外国人客相手の通訳・翻訳伴う、カウンセリング販売や専門的な商品説明を伴う高度な販売であることを説明します。
ただし、それには裏付けが必要です。そのお店の外国人客(採用予定申請人の母国の外国人客)が多いことを割合や数字で証明した裏付け資料が必要です。
また、申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量がなければなりません。(通訳を伴う販売や接客、商品説明やポップの翻訳等、その申請人にしかできない仕事が十分あること)

※なお、「通訳・翻訳業務」や母国語の語学指導のお仕事は、短大・大学・大学院を卒業していれば出身の学部・学科を問わず実務経験がなくても従事できます。しかし「専門士」の専門学校卒業生は専門学校で翻訳・通訳を勉強していなければいけません。

4、専攻科目と従事しようとする業務内容との間に関連性がある
たとえば:
・日本の外国語の専門学校を卒業し、「通訳・翻訳」を学んでいる中国人の方が中国語圏からのお客様が多い免税店で「通訳を伴う高度な販売職」に従事する。

・日本の服飾・ファッション系の専門学校を卒業した中国人の方が、「ファッションに伴う洋服の縫製や素材等」の専門知識等を活かし、高級なブランド商品を中国語圏から来られたお客様にご説明し購入して頂く。

5、補強書類をつける
補強書類として、申請人が実際お仕事をするお店の外国人の割合を示す資料を用意したり、お店や商品の写真を付けた方が良いです。特にお店の外国人客の割合を示す資料は提出していなければ、「追加書類」として後で連絡がくる可能性があります。その時に慌てないように申請時に提出しましょう。

6、派遣社員でも「技術・人文知識・国際業務ビザ」は取得可能
販売職の場合、派遣社員ということもよくあるかと思います。
派遣社員は派遣会社、つまり 派遣元に雇用されています。派遣会社に雇用された社員が派遣先の店舗等で働くことになります。派遣期間が「1か月毎の更新」でもビザは取れますが、雇用条件書等には必ず「今後も随時契約更新予定です」と入れておいた方がよいでしょう。

「派遣で外国人を雇用」について詳しくはこちら

7、店頭や現場の実務研修に関して
もしも、店舗ではなく本部の営業・マーケティング、経理や広報などの事務社員として外国人を採用し、新入社員研修(店頭や現場での実務研修)で現場に出なくてはいけない場合は申請時に入管局に報告してください。その報告のないまま、本部の外国人社員を店頭で通常の接客販売業務等をさせていたら、最悪の場合、虚偽申請をしたとして外国人と雇用企業の双方が処罰の対象となってしまうかもしれません。十分ご注意ください。

「技術・人文知識・国際業務ビザで許容される実務研修」について詳しくはこちら

8、店頭での業務に注意する
「技術・人文知識・国際業務ビザ」は高度な専門性や技術・知識を持っている外国人のビザになりますので、レジ業務、商品の陳列、商品の品出し、(通常の)販売、清掃等はできません。ご注意ください。

尚、店舗ではなく本部の営業・マーケティング、経理や広報などの事務社員として外国人を採用する場合:詳しくは「技術・人文知識・国際業務ビザ」

出典:
新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組「在留資格一覧表」(出入国在留管理庁)
留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン